【ボクの真夏の、敗戦記念日・・・。(前篇)】
ボクはあまり頭がよくない、これは現在も進行形
だから高校の頃は、ちとヤバいやつらが友達だった。
『逃げの米沢』 喧嘩になるとボクの姿はそこにはない。
・・・友達連中からはそう呼ばれていた。
その友達一人とボクは真夏の夜、スナックへと飲みに行った・・・。
ボクは正直お酒は嫌い、でもカラオケは大好きなので
スナックへ行くのは嫌いじゃなかった。
お店に入り、付き合い程度にダチのお酒に付き合うと
ボクはカラオケを始めた。
ちょうどその時、お店に二人、お客さんが入って来た。
一人は50歳ぐらいの紳士
もう一人はちと目つきの悪い25、6のおにぃ~さん。
最初はちとビビったが、そのおにぃ~さんがボクのツレに
話かけてきたのでホッとひと安心・・・。
だがコイツがマズかった。
『俺は若い時ココいらじゃ、顔だった。』だの
『喧嘩で負けた事はねぇ~』だの、調子に乗ってどんどん話始めた。
ボクのダチはこの言葉攻めにやられた。
『お前ら地元どこよ?』と、おにぃ~さん。
『あ、ココが地元です。』と、馬鹿正直に答えるボクのダチ。
挙句の果てには暴○族の名前までだして脅してきたモンだから
ボクはついにキレてこう言ってしまった・・・。
『ようは町内会クラスの不良ってことですよねぇ~w』
そのおにぃ~さんはボクを睨みながらゆっくりと立ち上がる。
ボクは座ったままで余裕をカマした・・・。
今回は逃げられない、いや、お酒が少々入っていたせいか・・・
なんでチビらなかったか、ボクにすらわからない。
そんな時だった・・・。
『おいっ』
と、カウンターで飲んでいた紳士から・・・そう声が飛んだ。
するとそのおにぃ~さんは黙ってカウンターの席に戻り、静かになった。
ただボクの怒りはこんなモンじゃ済まない。
今度はそのおにぃ~さんが歌った歌をボクがすぐに歌う、
お店は緊迫した雰囲気に包まれた。
もうおにぃ~さんは顔を真っ赤にして怒っている。
ボクは歌を歌い終えると勝ち誇ったように、
意気揚々と自分の席へと戻ろうとした・・・
その時!
『ねぇ、コッチ来なよ…』
店内に紳士の声が静かに響いた。
そう、『コッチ来なよ』…とはボクの事。
ボクはクルリと反転すると紳士の隣のカウンター席へ・・・。
『ヤリ過ぎたかな?』
と、さすがにビビりながらも、
ボクは変な落ち着きを持って、
その席に、座った。。。
【後篇につづく…。】